テスラ日本が、130kW対応の新しいCHAdeMOアダプターを発表。2027年1月に発売へ。全国約1万4,000基の急速充電器で充電できる

確認日 2026年10月25日 / 読む時間 約6分

目次
  1. 3行まとめ
  2. 前提知識:急速充電、kWとkWh、アダプター
  3. 何が起きたか
  4. なぜ重要か
  5. しくみ:充電の速さは、「いちばん細いところ」で決まる
  6. 数字の目安:30分で、どのくらい走れるか
  7. これまでの流れ
  8. 知っておくと使える、ポイント
  9. つづきの問い
  10. 次に読む
  11. 出典
  12. 確認状況

テスラ日本の公式Xの投稿(2026年10月24日)によると、新しいCHAdeMOアダプターは130kWに対応し、全国に約1万4,000基ある急速充電設備で充電できるようになります。2027年1月から、テスラショップで販売する予定です。テスラ日本のサポートページでは、今のCHAdeMOアダプターの設計上の出力は最大50kWと説明されています。

3行まとめ

  • テスラ日本は、2026年10月24日、最大130kWに対応する新しいCHAdeMO(チャデモ)アダプターを発表しました。
  • 2027年1月から、テスラショップで販売する予定です。全国に約1万4,000基ある急速充電設備で、テスラを充電できるようになります。
  • 今のアダプターは、テスラ日本のサポートページで設計上の最大50kWと説明されています。上限は、約2.6倍になります。

前提知識:急速充電、kWとkWh、アダプター

急速充電は、「電池に、直流の電気を直接入れる」充電です。 家庭のコンセントの電気は、向きが行ったり来たりする「交流」です。一方、車の電池にためられるのは、向きが一定の「直流」です。家での普通充電では、車の中の装置が、交流を直流に変えてから電池に入れます。この装置は、車に載せるので、あまり大きくできません。急速充電器は、この変換を、充電器の側の大きな装置で済ませ、直流の電気を、車の電池へ直接送ります。だから、速く充電できます。CHAdeMOは、日本で広く使われている、急速充電の規格(決まりごと)の名前です。

kW(キロワット)は「勢い」、kWh(キロワット時)は「量」です。 水道にたとえると、kWは蛇口から出る水の勢い、kWhはバケツにたまった水の量です。50kWの勢いで1時間充電すると、50kWhの電気がたまります。30分なら、その半分の25kWhです。同じ30分でも、130kWの勢いなら、計算の上では65kWhになります。今回の「130kW」は、勢いの上限の話です。

電気の勢い(kW)は、「電圧×電流」で決まります。 電圧は、電気を押し出す力で、水道でいえば水圧です。電流は、流れる電気の量で、水道でいえば管を流れる水の量です。たとえば、400ボルトで100アンペアなら、400×100=4万ワット=40kWです。同じ400ボルトで、電流を325アンペアに増やせば、130kWになります(数字は計算の例で、新しいアダプターの仕様ではありません)。電流を増やすほど、電線や接続部は熱くなりやすいので、太さや冷やし方、部品の作りが大事になります。

アダプターは、「差し込み口の形と、決まりごとをつなぐ部品」です。 テスラの車の充電口は、テスラ独自の形です。CHAdeMOの充電器のプラグは、そのままでは差し込めません。アダプターは、その間に入って、プラグの形を合わせるだけでなく、車と充電器が、どれだけの電気を流すかをやり取りできるようにします。そして、アダプター自体にも、どれだけの電気を通せるかの上限があります。今回の発表は、その上限が上がる、という話です。

何が起きたか

テスラ日本の公式Xの投稿(2026年10月24日 20時55分)と、テスラ日本のサポートページの内容を、表にまとめます。

項目今のCHAdeMOアダプター新しいCHAdeMOアダプター
最大の出力50kW(設計上の出力)130kW
使える充電設備約9,600基(2023年7月時点)全国に約1万4,000基(2026年10月の投稿)
発売販売中2027年1月から、テスラショップで販売の予定

投稿では、「近所の急速充電器でも、テスラを充電したい」という声に応えるもの、と説明しています。そして、お出かけ先での充電の選択肢が広がり、長距離を安心して走れるようになる、としています。

Impress Watchの報道(2026年10月23日)によると、価格は9万5,900円です。同じ記事では、家電に電気を送る「給電アダプター(V2L)」(1万5,000円)も、2027年1月に発売予定と報じられています。

なぜ重要か

いちばん大きいのは、充電できる場所の数です。Impress Watchの報道によると、テスラのスーパーチャージャーは、全国に156か所、768基です。CHAdeMOの急速充電設備は、テスラの投稿で約1万4,000基です。数では、およそ18倍になります。高速道路のサービスエリア、道の駅、ショッピングモール、自動車販売店など、スーパーチャージャーのない町でも、急速充電器はあることが多いのです。

ただし、アダプターがあるだけでは、遅い充電器で使えば、そのまま遅いままです。ぼくの考えだけど、新しいアダプターの意味は、「大きな出力の急速充電器に出会ったとき、その力を、50kWで止めずに使える」ことにあります。

しくみ:充電の速さは、「いちばん細いところ」で決まる

充電の電気は、充電器 → ケーブル → アダプター → 車 → 電池、という順に流れます。水道の管にたとえると、どこか1か所でも細いところがあれば、全体の流れはそこで決まります。

流れの場所速さを決めるもの
充電器充電器ごとの最大の出力(機種によって違います)
アダプターアダプターが通せる上限(今は50kW、新しいものは130kW)
車車が受け入れられる上限
電池温度と残量(冷えているとき、満タンに近いときは、ゆっくりになります)

たとえば、50kWの充電器では、新しいアダプターでも50kWより速くはなりません。逆に、出力の大きい充電器でも、今のアダプターでは50kWが上限です。新しいアダプターは、この表の「アダプター」の行を太くする部品だ、と考えると分かりやすいです。

テスラ日本のサポートページには、ニチコン社の充電器「NQM-UCY04」で、出力が最大20kWに制限されていた、という例も載っています。テスラのサービスセンターでアダプターを更新すると、充電器の出力制御の機能に対応し、設計上の最大の50kWで充電できるようになる、と説明されています。部品の作りだけでなく、充電器とのやり取りの決まりごとも、速さに関わることが分かります。

数字の目安:30分で、どのくらい走れるか

テスラ日本のサポートページでは、今のアダプターを使ったCHAdeMOの急速充電で、30分で最大125km分を充電できると説明しています。

ぼくの計算だけど、50kWで30分なら25kWhです。25kWhで125kmなら、1kWhあたり約5kmになります。同じ割合で考えると、130kWで30分(65kWh)なら、計算の上では約325km分です。ただし、実際は、上の表のとおり、充電器の出力と、電池の温度・残量で下がります。特に、電池の残量が多くなるほど、車は電流を絞るので、30分ずっと最大の勢いが続くわけではありません。

これまでの流れ

  • 2023年7月時点: テスラ日本のサポートページで、CHAdeMOの急速充電設備は約9,600基、今のアダプターの設計上の出力は最大50kWと説明されています。
  • 2026年10月23日: Impress Watchが、テスラの国内向けのModel 3とModel Yの給電(V2L)対応と、給電アダプター・CHAdeMOアダプターの価格を報じました。
  • 2026年10月24日: テスラ日本が、公式Xで、130kW対応の新しいCHAdeMOアダプターを発表しました。
  • 2027年1月: テスラショップで販売開始の予定です。

知っておくと使える、ポイント

  • 「130kW」は最大の勢いで、いつもの速さではない: 実際の速さは、充電器、アダプター、車、電池のうち、いちばん低いところで決まります。
  • kWとkWhを分けて読む: kWは勢い、kWhは量です。「勢い×時間=量」で、30分の充電でたまる量を計算できます。
  • よくある誤解: 「アダプターを替えれば、どこでも速くなる」わけではありません。充電器の側の出力が小さければ、速さは変わりません。

つづきの問い

同じ急速充電でも、電池が冷えているとき、満タンに近いときは、なぜ遅くなるのでしょうか。電池の中で起きていることを知ると、充電の上手な使い方が見えてきます。

次に読む

出典

確認状況

130kW対応、全国約1万4,000基、2027年1月の販売開始は、テスラ日本の公式Xの投稿で確認しました。今のアダプターの50kW、30分で最大125km分は、テスラ日本のサポートページで確認しました(2026-10-25時点)。価格(9万5,900円)とスーパーチャージャーの数は、Impress Watchの報道によります。

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