Powerwall 3がヒートポンプに「今、強めに動いて」と合図。安い電気を、お湯の熱として貯める新機能(欧州)

確認日 2026年11月3日 / 読む時間 約6分

目次
  1. 前提知識:電気と熱を「貯める」とは
  2. 3行まとめ
  3. 何が起きたか
  4. なぜ重要か:電気を「熱」の形で貯める
  5. 技術・しくみ
  6. これまでの流れ
  7. 友人に説明するなら
  8. つづきの問い
  9. 出典

テスラのPowerwall 3/3Pが、SG Ready対応のヒートポンプに「通常」か「強め」の合図を送り、余った太陽光や安い電気を、お湯の熱として貯める機能が、欧州で提供されていると報じられています。必要なのはファームウェア26.26以降とTesla アプリ4.59.1以降です。

前提知識:電気と熱を「貯める」とは

kWh(キロワット時) は、電気の「量」の単位です。1kWの電気製品を1時間使うと1kWhです。家庭用バッテリー1台は、およそ10kWh前後で、冷蔵庫なら数日分に近い量です。

ヒートポンプは、空気中の熱を「汲み上げて」お湯や暖房に使う機械です。電気ヒーターは、1の電気から1の熱しか作れません。ヒートポンプは、熱を運ぶだけなので、1の電気で3前後の熱を運べます。この倍率をCOPと呼びます。COP 3なら、電気3.5kWhで、熱10.5kWhを作れる計算です。

熱は、電気より貯めやすいのが、今回のポイントです。電気を貯めるバッテリーは高価ですが、お湯のタンクは、ただの水で、安く、長持ちします。300リットルの水を30℃温めると、約10.5kWhの熱を貯められます(水1リットルを1℃上げるのに約1.16Wh、300×30×1.16≒10.5kWh)。家庭用バッテリー1台分の量です。

電気代が時間で変わるのも大事です。欧州では、時間帯ごとに料金が変わる契約が広がっています。昼の太陽光が余る時間や、夜の安い時間に電気を使えれば、同じお湯でも安く作れます。

3行まとめ

  • テスラのPowerwall 3と三相版のPowerwall 3Pに、ヒートポンプへ合図を送る「Heat Pump Optimization」が加わったと、Electrekが2026年11月2日に報じました。
  • 合図は「通常」か「強め」の2つだけ。余った太陽光や安い電気のとき、「強め」を送ってお湯を多めに温め、熱として貯めます。
  • 提供は欧州のみと報じられ、米国・カナダの予定は発表されていないとされています。

何が起きたか

Electrekによると、テスラ・エナジーは、Xで「余った太陽光や電気が安いときに、Powerwallが暖房を強めます」という趣旨の説明をしました。条件は次のとおりと報じられています。

  • Powerwall 3または3P、ファームウェア26.26以降
  • Teslaアプリ 4.59.1以降
  • SG Ready認証のヒートポンプ(SG-2接点を外部の信号で使える設定)
  • 配線と設定は、テスラ認定の施工者が行う

なぜ重要か:電気を「熱」の形で貯める

バッテリーに貯めた電気で、あとでヒートポンプを動かしてもよいのですが、バッテリーの容量には限りがあります。そこで、ヒートポンプ自身を「大きな蓄熱器」として使います。タンクの水は、安い電気で温めておけば、夜に、熱として取り出せます。バッテリーは、停電時の備えなど、ほかの用途に残せます。

技術・しくみ

モード「強め」の合図を出すとき
Self-Powered家の電気をまかなっても、太陽光が余るとき
Savings太陽光があるとき、または、24時間先までの料金予測で最も安いとき

SG Readyは、2012年にドイツのヒートポンプ協会(BWP)が導入した認証の名前です。ヒートポンプにある2本の接点(スイッチ)の、開閉の組み合わせで、「通常」「強め」などを伝えます。クラウドは通さず、配線だけで伝わる単純なしくみです。テスラは、そのうち「通常」と「強め」だけを使うと報じられています。

限界も報じられています。合図は「お願い」なので、ヒートポンプ側のサーモスタット設定が優先されることがあります。1つの合図は、最低10分保たれます。停電時は、バックアップの電力を優先して、通常に戻ります。

これまでの流れ

  • 2012年:ドイツのBWPがSG Readyを導入。
  • 2023年:sonnenが、ソフトウェア更新で、NIBE製などのヒートポンプ制御を追加(Electrek)。
  • 2025年:テスラが、Powerwallの累計100万台を発表(Electrek)。
  • 2026年:ドイツ・オーストリア・スイス向けに三相のPowerwall 3Pが登場。ドイツのヒートポンプ販売は、BWPによると、2025年に29.9万台(前年比55%増)。
  • 2026年11月:今回の機能が、欧州で提供と報じられました。

友人に説明するなら

  • ヒートポンプは、1の電気で約3の熱を運ぶ(COP 3)。
  • 熱は、水に貯めれば、電気より安く貯められる。300リットルを30℃上げて約10.5kWh。
  • Powerwallが「今、安いよ」と合図すると、ヒートポンプが多めに動く。
  • よくある誤解:バッテリーがお湯を作るのではなく、合図を送るだけ。温めるのはヒートポンプ。

つづきの問い

では、家の電気が余ったとき、どこまで熱として貯められるのでしょうか。タンクの大きさと、熱が逃げる速さの関係が、次のテーマです。

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出典

※確認状況(2026-11-03):機能の内容は、報道(Electrek)を通じて確認したもので、テスラの公式ページの本文は確認できていません。

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