スロバキアが、テスラのFSD(Supervised)を認める。オランダの認可を、自国でも使えるようにした仕組み

確認日 2026年10月19日 / 読む時間 約6分

目次
  1. 3行まとめ
  2. 何が起きたか
  3. 背景:なぜ、オランダの認可が、スロバキアで使えるのか
  4. 技術・しくみ:「Supervised(見守りつき)」とは
  5. これまでの流れ
  6. 次に読む
  7. 出典

スロバキア運輸省は、2026年10月16日、テスラの「FSD(Supervised)」の暫定型式認可を、公式に認めました。この認可は、オランダの車両認可機関RDWが2026年4月10日に出したもので、他のEU加盟国は、自国の領域で、これを認めることができます。運輸省は、これが「完全な自動運転ではなく」、「運転者が、走行に責任を負う」と説明しています。運転者の注意が足りないと判断すると、警告し、必要なら機能を切ります。スロバキアで、いつから使えるようになるかは、運輸省の発表には書かれていません。

AI生成のイメージ:ヨーロッパの地図の上で、オランダから、いくつかの国へ、認可がつながっていく様子(概念図で、実際の地図や国の数とは異なります)
図1:イメージ(AI生成。概念図で、実際の地図や国の数とは異なります)。

3行まとめ

  • スロバキア運輸省が、2026年10月16日、テスラの運転支援「FSD(Supervised)」の暫定型式認可を、公式に認めた。
  • 土台は、オランダのRDWが2026年4月10日に出した認可。他のEU加盟国は、これを自国の領域で認めることができる。
  • 運輸省は、「完全な自動運転ではない」「運転者が、走行に責任を負う」と明記。注意を見張り、足りなければ警告し、必要なら切る。

何が起きたか

スロバキア運輸省は、2026年10月16日の発表で、テスラの「FSD(Supervised)」の暫定型式認可を、公式に認めたと発表しました。運輸省は、スロバキアを、このシステムの利用を認める、「ヨーロッパの数少ない国のひとつ」としています。

運輸省は、この機能を、カメラとニューラルネットワーク(人間の脳を、ごく単純にまねた計算の仕組み)を使う、高度な運転支援ソフトウェアとして紹介しています。加速、ブレーキ、ハンドル操作、車線変更、交差点の通過、標識と信号への対応ができ、市街地と高速道路の両方で使える、という説明です。

ヨゼフ・ラージ運輸大臣は、「道路の安全は、私たちにとって、とても重要」と述べ、安全を高める革新は支援する、としています。一方で、「完全な自動運転システムではない」ことを強調し、運転席を空にしてはいけない、走行には運転者が、いつも完全に責任を負う、と述べています。

背景:なぜ、オランダの認可が、スロバキアで使えるのか

車の型式認可(その車やシステムが、安全の基準を満たすと、国が認める手続き)には、ヨーロッパでは、いくつかの層があります。

  1. まず、1つの国の機関が、認可を出す。 今回は、オランダの車両認可機関RDWです。RDWは、2026年4月10日に、テスラのFSD(Supervised)に、認可を出しました。ただし、この認可は、当面、オランダ国内だけで有効だと、RDWが書いています。
  2. EU全体で使うには、さらに手続きが要る。 RDWが、欧州委員会に申請し、加盟国の代表が投票して、委員会で過半数の賛成が必要です(RDWの説明)。
  3. その間、他の加盟国は、それぞれ、自国の領域で、この認可を認めることができます。スロバキアの運輸省は、この道を使いました。

つまり、今回のスロバキアの決定は、「EU全体の承認」ではありません。「オランダの暫定の認可を、スロバキアでも使ってよい、と認めた」決定です。

技術・しくみ:「Supervised(見守りつき)」とは

名前の「Supervised」は、「人が見守る」という意味です。RDWは、この車を、「FSD(Supervised)の車は、自動運転車ではない」と書いています。運転者は、責任を持ち、制御を保つ必要があります。

その仕組みも、RDWは説明しています(2026年4月10日のRDWの文書)。

  • センサーが、運転者の目が、道路を見ているかを確認する。
  • 運転者の手が、必要なときに、すぐハンドルを取れるかも確認する。ハンドルに手を置き続ける必要はないが、すぐ引き継げることが条件。
  • 注意が足りない状態がくり返されると、警告が段階的に強くなり、機能が一時的に使えなくなることがある。
  • 運転中に、新聞を読むことは、許されない。

スロバキア運輸省も、同じ考え方を書いています。システムは、運転者の注意を見張り、走行に集中していないと判断すると、警告し、必要なら、自分で切る、という説明です。

(参考:自動運転の段階を決める、SAE(米国の自動車技術者協会)の分類では、運転者がいつも責任を負う、このタイプは、「レベル2」にあたると、一般に説明されます。この分類は、一般的な説明で、今回の公式の文書には書かれていません。)

テスラの運転支援の、段階の違いは、FSDとオートパイロットの違いで見ています。車のカメラの配置は、Tesla Vision、運転者を見るカメラは、キャビンカメラとキャビンレーダーの記事で扱っています。

これまでの流れ

  • 2026年4月10日: オランダのRDWが、FSD(Supervised)に認可を出す。当面、オランダ国内だけで有効(RDW)。
  • その後: 報道によると、リトアニア、エストニア、デンマーク、ベルギー、スロベニア、チェコ、クロアチアなどが、順にこの認可を認めてきた(国の数と順番は、報道の数え方)。
  • 2026年10月16日: スロバキア運輸省が、公式に認める(運輸省の発表)。

次に読む

出典

※「9番目」という国の数え方は、報道の独自の集計です。運輸省の発表では、「数少ない国のひとつ」とされています。この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。図はAIで生成したイメージです。

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