Tesla Vision(カメラだけの運転支援)とは?テスラの車にはカメラが何台あるのか、公式の取扱説明書で確認

確認日 2026年10月18日 / 読む時間 約8分

目次
  1. 結論:テスラの運転支援は、車に付いた複数のカメラの映像を使う
  2. カメラの映像で、車は何をしているのか
  3. 「調整(キャリブレーション)」が必要
  4. カメラが苦手なこと:汚れ、雨、結露
  5. レーダーをやめた経緯(報道による)
  6. なぜカメラ中心なのか(筆者の読み解き)
  7. よくある質問
  8. まとめ
  9. 出典(確認日 2026-10-16)

テスラの公式の取扱説明書(Model 3、2024年以降、ソフトウェア2026.32)によると、運転支援の機能(Self-Driving)は、車の前・後ろ・左右に付いたカメラの映像を使います。窓ガラスの上部に2台、左右のドアの柱に1台ずつ、左右の前フェンダーに1台ずつ、後ろのナンバー上に1台で、合計7台(筆者の数え方)。オプションで前のバンパー上に1台です。レーダーをやめて、カメラ中心にしたのは2021年5月ごろと報じられていますが、テスラ公式ページの原文は、今回は確認できていません。

テスラの車に付いているカメラの位置のイメージ。窓ガラス上部に2台、ドアの柱に左右1台ずつ、前フェンダーに左右1台ずつ、後ろのナンバー上に1台(AI生成のイメージ。取扱説明書の記述をもとにした概念図)
図1:カメラの位置(AI生成。取扱説明書の記述をもとにした概念図で、実際の位置や形とは異なります)。

前の記事のサイバートラックの48Vバッテリーでは、車の電気の話をしました。この記事は、車の目の話です。テスラの運転支援は、カメラの映像を主な情報にしていると言われます。その考え方が、Tesla Vision(テスラ・ビジョン)です。公式の取扱説明書で、何が書いてあるかを確認していきます。

結論:テスラの運転支援は、車に付いた複数のカメラの映像を使う

テスラの公式の取扱説明書(Model 3、2024年以降、ソフトウェア2026.32)は、運転支援の機能について、こう書いています(要約)。

  • 運転支援(Self-Driving)の機能は、カメラを使う。カメラは、車の前・後ろ・左・右に付いている。
  • 運転手が前を見ているかを見張る車内カメラ(バックミラーの上)もある。

カメラの場所は、「Cameras」のページに、次のように書かれています。

場所台数
窓ガラス(フロントガラス)の上部、バックミラーの上2台
左右のドアの柱1台ずつ(計2台)
左右の前フェンダー1台ずつ(計2台)
後ろのナンバープレートの上1台
前のバンパー上(グリルの上)装備されている場合のみ、1台
車内(バックミラーの上)1台(運転手の注意を見るカメラ)

車の外を見るカメラは、基本が7台です(筆者の数え方:2+2+2+1)。オプションの前バンパーのカメラを入れると、8台になります。

この記事で確認できていないこと

各カメラの画素数、画角、役割分担(どのカメラが、どこまで遠くを見るのか)は、取扱説明書には書かれていません。他の車種(Model Y、Cybertruckなど)のカメラの数も、確認していません。

カメラの映像で、車は何をしているのか

取扱説明書の「Full Self-Driving (Supervised)」のページには、次の説明があります。

  • この機能は、前・後ろ・左・右のカメラからの入力を使って、車の周りの様子の「モデル」を作る。
  • 車に搭載されたAIコンピューターは、その入力を使って、ニューラルネットワークを素早く処理し、判断する。
  • 画面には、道路、車、歩行者、縁石、自転車などが表示される。
  • ただし、画面の表示は、車が考慮している情報のすべてではない。「カメラのデータの一部は、画面に出ていない場合がある」と、書かれている。
  • 主に視覚(カメラ)のデータを使うが、地図データが新しいほうが、正確さが上がるとも書かれている。

つまり、「カメラだけ」というより、カメラの映像を中心にして、地図も補助に使う、と読めます(これは、取扱説明書の記述からの、筆者の読み取りです)。

初心者向けの補足

ニューラルネットワークは、たくさんの例から、パターンを見つける仕組みです。たとえば、「この形は、止まれの標識」「この線は、車線」と、写真から見分ける力を、データから身につけさせます。くわしくは、別の記事で取り上げる予定です。

カメラの映像から、車が判断するまでの流れのイメージ。1カメラが映像を撮る、2AIコンピューターが映像から周りの様子の「モデル」を作る、3その結果をもとに、加速・減速・ハンドル操作を判断する。地図の情報も補助に使う(AI生成のイメージ。取扱説明書の記述をもとにした概念図)
図2:カメラの映像から判断までの流れ(AI生成。概念図で、実際の内部構造とは異なります)。

「調整(キャリブレーション)」が必要

カメラは、取り付けの角度が少しずれても、距離の見え方が変わります。そのため、取扱説明書には、走りながらカメラを自動で調整する仕組みが書かれています。

  • 一部の機能(車線からはみ出さないようにする機能や、自動で止まる機能)は、初めて使う前、または、修理のあとに、カメラの自己調整が終わらないと、使えない。
  • 調整は、画面に進み具合が表示される。
  • 目安は、32〜40km走ること(取扱説明書の香港版で確認。道路や環境によって変わる)。
  • 車線の線がはっきり見える、まっすぐな多車線の道路のほうが、早く終わる。複数の車線がある高速道路の真ん中の車線が、最適とされている。
  • 160km走っても終わらない場合に限り、テスラへ連絡する。
  • カメラやフロントガラスを交換したときは、画面から「調整を消去(Clear Calibration)」して、やり直す。
  • テスラでカメラを整備したあとや、ソフトウェア更新のあとにも、調整をやり直すことがある。

カメラが苦手なこと:汚れ、雨、結露

カメラの映像が頼りなので、カメラが見えない状況は、そのまま弱点になります。取扱説明書は、次のように注意しています。

  • 走り出す前に、すべてのカメラが、きれいで、ふさがれていないかを確認する。
  • 汚れたカメラ、雨、薄れた車線の線は、性能に影響する。
  • カメラがふさがれたり、まぶしくなったりすると、画面にメッセージが出て、運転支援の機能が使えなくなることがある。
  • 屋外の寒い日や雨の日に停めると、カメラの中に結露が付くことがある。その場合、車は「カメラがふさがれている」と警告し、運転支援の一部、または全部を一時的に制限する。結露を早く乾かすには、アプリで車内を暖め、デフロスターを入れ、前の送風口をドアの柱に向ける。
  • 直近の走行での、カメラの見えにくさの記録は、画面の「Controls > Service > Camera Visibility」で見られる。
  • 見えにくかったときの画像は、データの共有設定で許可しない限り、車の外には出ず、2日で自動的に消えると書かれている。
カメラが使いにくくなる状況のイメージ。汚れ、雨、結露、まぶしい光、薄れた車線。このとき、車は画面にメッセージを出して、運転支援の機能が使えなくなることがある(AI生成のイメージ。取扱説明書の記述をもとにした概念図)
図3:カメラが使いにくくなる状況(AI生成。概念図)。

レーダーをやめた経緯(報道による)

テスラは、以前の車には、レーダー(電波で、前の車までの距離を測る装置)も付けていました。報道によると、2021年5月の納車分から、アメリカ・カナダ向けのModel 3とModel Yで、レーダーを付けなくなり、カメラの映像を中心にした運転支援(Tesla Vision)に切り替えたとされています。テスラは、その理由の一つに、「Model 3とModel Yは、台数が多い車だから」と述べたと、報じられています。また、切り替えの直後は、一部の機能が「一時的に制限、または停止」されることがあり、のちのソフトウェア更新で戻す、と説明されたと、報じられています。

この記事で確認できていないこと

この経緯は、報道(Drive Tesla Canada、ほか)を通じた情報です。テスラ公式ページ(Transitioning to Tesla Vision)の原文は、今回は読めませんでした(ページが、別の案内に転送されていました)。切り替えの日付、対象の車種、制限された機能の一覧は、公式の原文では確認していません。現在の車に、レーダーが付いているかどうかも、確認していません。

なぜカメラ中心なのか(筆者の読み解き)

筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

人間は、主に目で見て運転しています。道路の標識も、信号も、車線も、人が目で見られるように作られています。だから、「カメラの映像から、人と同じように判断できれば、道路の設計と合う」という考え方は、理解しやすいです。ただし、テスラがそう説明したかどうか、また、レーダーなどの別のセンサーを使った方式と、どちらが安全かは、この記事では確認できていません。結論は出さず、問いとして残します。

よくある質問

Tesla Visionとは、何ですか?

この記事では、テスラの運転支援が、カメラの映像を中心にしている考え方を指す呼び名として使っています。名前そのものの公式の定義は、今回は読めていません。取扱説明書で確認できたのは、「運転支援の機能は、カメラを使う」という説明です。

テスラの車には、カメラが何台ありますか?

Model 3の取扱説明書では、車の外を見るカメラが、窓ガラスの上部に2台、ドアの柱に2台、前フェンダーに2台、後ろに1台の、合計7台(筆者の数え方)。前のバンパー上のカメラは、装備されている場合のみです。ほかに、車内カメラがあります。

カメラが汚れると、どうなりますか?

画面にメッセージが出て、運転支援の機能が使えなくなることがあります。走り出す前に、カメラをきれいにするよう、取扱説明書に書かれています。

カメラの映像は、テスラに送られますか?

取扱説明書では、見えにくかったときの画像は、データの共有設定で許可しない限り、車の外に出ないと書かれています。共有設定は、画面の「Controls > Software > Data Sharing」で確認できます。設定の詳細や、他のデータの扱いは、この記事では確認していません。

まとめ

  • テスラの公式の取扱説明書によると、運転支援はカメラの映像を使う。外を見るカメラは基本7台(筆者の数え方)、ほかに車内カメラ1台。
  • 車は、カメラの入力から周りの「モデル」を作り、AIコンピューターで判断する。地図も補助に使う。
  • 使う前に、カメラの自動調整(目安32〜40km)が必要。
  • 汚れ、雨、結露で、運転支援が使えなくなることがある。
  • レーダーをやめた経緯は、報道ベース。テスラ公式ページの原文、カメラの性能の数字、他車種の構成は、未確認。

次の記事:テスラの「FSD」と「オートパイロット」は何が違うのか、公式の説明で整理します。

出典(確認日 2026-10-16)

この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。運転支援機能は、運転手の注意を前提にしたものです。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。

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