Model SとDragon ― 危機を越えたテスラとスペースXが、動き出した2009〜2012年

確認日 2026年10月11日 / 読む時間 約8分

目次
  1. 2009年3月、Model S
  2. 2009年5月、大手メーカーからの出資
  3. 2010年、工場と提携と、株式の公開
  4. 2010年6月4日、ファルコン9、はじめての打ち上げ
  5. 2012年5月、Dragonが、宇宙ステーションへ
  6. 2012年6月、Model Sの納車
  7. 次に、何が待っているのか
  8. よくある質問
  9. まとめ
  10. 出典(確認日 2026-10-11)

2008年の危機のあと、テスラは2009年3月に電気セダン「Model S」を発表し、2012年6月に納車を始めたと報じられています。一方スペースXは、2010年6月にファルコン9を初めて打ち上げ、2012年5月には宇宙船Dragonを国際宇宙ステーションへ届けました。民間企業の宇宙船として、初めての到着でした。

2009年から2012年の、テスラとスペースXの動き。2009年3月Model S発表、2010年5月トヨタと提携、2010年6月ファルコン9初打ち上げと株式公開、2012年5月Dragonが国際宇宙ステーションに到着、2012年6月Model S納車開始
図1:2009〜2012年の2社の動き(AI生成のイメージ。日付は報道・公式発表ベースで、一部は未確認)。

崖っぷちの2008年を、2社とも、なんとか越えました。

では、そこから、何が起きたのでしょうか。ここからの数年は、「危機を越えたあとの、反撃の時間」です。電気自動車の側では、後に世界を変える1台が発表され、ロケットの側では、民間企業の宇宙船が、はじめて宇宙ステーションにたどり着きます。

この記事では、2009年から2012年までを追います。

2009年3月、Model S

2009年3月26日。テスラは、カリフォルニア州ホーソーンで、新しい電気セダン「Model S(モデルS)」を発表しました(テスラの公式発表)。

発表の内容は、次のとおりです。

この時点で、テスラが売っていた車は、スポーツカーの「ロードスター」だけでした。ロードスターは、少量だけ作られる車です。Model Sは、もっと多くの人に届ける車、つまり量産を目指す車でした。

ここに、大きな壁があります。魅力的な車を見せることと、それを大量に作って、お客さんに届けることは、まったく別の仕事です。この壁の高さは、あとの記事(Model 3の「生産地獄」)で、あらためて見ることになります。

2009年5月、大手メーカーからの出資

発表から約2か月後の、2009年5月19日。ドイツの自動車メーカーダイムラーが、テスラの株式の約10%を取得したと報じられました。

2008年の資金難から、まだ1年足らず。大手の自動車メーカーが出資する、ということは、テスラの信用を支える大きな出来事だったと考えられます。当時、給料の支払いが危ぶまれるほどの資金不足を、一部やわらげる転機になった、とも伝えられています。

2010年、工場と提携と、株式の公開

2010年は、テスラにとって、動きの多い年でした。

工場を手に入れ、資金を集める。「車をたくさん作る」ための準備が、ここで整っていきます。

2010年6月4日、ファルコン9、はじめての打ち上げ

同じ2010年、ロケットの側にも、大きな転機がありました。

6月4日。スペースXの新しいロケット「ファルコン9」が、フロリダ州のケープカナベラルから、はじめて打ち上げられ、軌道に到達したと報じられています。

前の記事で見たとおり、小型のファルコン1は、3回失敗して、4回目でようやく成功しました。それに対して、ファルコン9は、初めての打ち上げで、軌道に届きました。ロケットの大きさも、段違いに大きくなっています。

筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

ファルコン1の3回の失敗が、それぞれ別の原因だったことを思い出すと、この初打ち上げの成功は、「失敗から学んだことが、次のロケットに生きた」と、解釈したくなります。ただし、スペースX内部で、実際にそうだったかは、確認していません。

2012年5月、Dragonが、宇宙ステーションへ

そして、2012年。

5月22日。ファルコン9が、スペースXの宇宙船「Dragon(ドラゴン)」を乗せて、打ち上げられました。これは、NASAのCOTS(コッツ)計画という、民間企業に宇宙ステーションへの輸送を実証させる計画の、デモンストレーションの打ち上げでした(プレスリリースによる)。

5月25日。Dragonは、国際宇宙ステーション(ISS)に到着し、ロボットアームでつかまれて、結合されました。民間企業の宇宙船として、初めて、ISSに接続した瞬間です(NASAの記事を転載した報道)。

Dragon宇宙船の国際宇宙ステーション到着。2012年5月22日にファルコン9で打ち上げ、5月25日にISSに到着してロボットアームでつかまれ結合。民間企業の宇宙船として初めて
図2:Dragon宇宙船の、国際宇宙ステーション到着(AI生成のイメージ)。

2008年末に、NASAが発表した、ISSへの物資輸送の契約(約16億ドルの契約総額)が、現実に動き出した、と言える出来事です。ここまでの約3年半で、「ロケット3回失敗」の会社が、「NASAの宇宙ステーションに荷物を運ぶ」会社に変わりました。

2012年6月、Model Sの納車

そして、2012年6月。テスラは、Model Sの、お客さんへの納車を始めたと報じられています(納車開始日は、6月22日とされていますが、出典が弱く、確認が必要です)。

発表(2009年3月)から、3年以上。ここで、量産の電気セダンが、現実の車として、道を走りはじめます。

Model Sの発表から納車まで。2009年3月26日に発表と受注開始、2010年に工場の取得などの準備、2012年6月に納車が始まったと報じられる
図3:Model Sの発表から、納車まで(AI生成のイメージ。納車開始日は出典が弱く未確認)。

次に、何が待っているのか

2社とも、ここまで、順調に見えます。けれども、2社の本当の挑戦は、このあと、さらに難しくなっていきます。

どちらも、世の中の「常識」に、真正面から挑む挑戦でした。

よくある質問

Model Sは、いつ発表され、いつ売られ始めましたか?

2009年3月26日に発表され、受注が始まりました(テスラの公式発表)。納車は、2012年6月ごろに始まったと報じられていますが、日付の出典が弱く、確認が必要です。

トヨタとテスラの提携は、本当ですか?

2010年5月に発表された、と報じられています。ただし、この記事で使った出典は、自動車情報サイトの報道で、公式発表の原文では、まだ確認できていません。

Dragonは、人を運びましたか?

この記事で扱った2012年の飛行は、国際宇宙ステーションへの接近・結合を実証するもので、人は乗っていません(物資の輸送の実証)。有人飛行については、この記事では扱っていません。

まとめ

次の記事:危機を越え、動き出した2社が、次に挑んだのは、ロケットを「使い捨てにしない」ことでした。

出典(確認日 2026-10-11)

この記事は、科学技術と企業の歴史の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。