スペースXのファルコン1、打ち上げ失敗3回の末に、4回目で成功するまで(2006〜2008年)

確認日 2026年10月11日 / 読む時間 約8分

目次
  1. 舞台は、太平洋の小さな島
  2. 1回目:2006年3月24日 ─ 飛び立った直後に、火が出た
  3. 2回目:2007年3月21日 ─ 宇宙の近くまで、あと一歩
  4. 3回目:2008年8月2日 ─ 離れるはずの2段が
  5. 崖っぷちの、数日間
  6. 4回目:2008年9月28日 ─ 軌道に届いた
  7. 失敗は、何を教えてくれたのか
  8. よくある質問
  9. まとめ
  10. 出典(確認日 2026-10-11)

スペースXの小型ロケット「ファルコン1」は、2006年3月、2007年3月、2008年8月と、3回連続で、軌道に届きませんでした。そして2008年9月28日、4回目の打ち上げで、はじめて地球周回軌道に到達します。3回の失敗は、それぞれ別の原因だったと報じられています。

ファルコン1の4回の打ち上げ。2006年3月24日失敗、2007年3月21日失敗、2008年8月2日失敗、2008年9月28日成功
図1:ファルコン1の4回の打ち上げ(AI生成のイメージ。日付は報道ベース)。

ロケットの打ち上げに、一度失敗する。会社は大きな痛手を受けます。二度失敗する。信用が揺らぎます。三度失敗する。普通なら、そこで終わりです。

スペースXは、三度、失敗しました。そして、四度目に、成功します。

この記事では、その2年半(2006〜2008年)を、順番にたどります。ロケットという途方もない挑戦が、どれほど「難しい」のか。その実感が、きっとわかります。

舞台は、太平洋の小さな島

打ち上げの場所は、マーシャル諸島のクワジェリン環礁にある、オメレク島です(報道による)。太平洋の真ん中の、小さな島。ここから、ファルコン1は、4回、空に向かいました。

「ファルコン1」は、スペースXが最初に作った、2段式の液体燃料ロケットです。ここで言う「2段式」とは、ロケットの本体が、第1段と第2段に分かれていて、燃料を使い切った下の段を切り離しながら、上の段で、さらに高く昇る仕組みのことです。

1回目:2006年3月24日 ─ 飛び立った直後に、火が出た

最初の打ち上げは、2006年3月24日です。

打ち上げの直後、燃料系統から、燃料が漏れました。そして、火災が起きて、飛行は失敗に終わりました。原因は、腐食したナットだったと報じられています。

小さな部品の不具合が、ロケット全体を失わせる。ロケットづくりの怖さが、最初の一歩目で、現れました。

2回目:2007年3月21日 ─ 宇宙の近くまで、あと一歩

2回目は、2007年3月21日。

今回は、1回目より、遠くまで行きました。しかし、第2段の飛行中に問題が起きて、軌道への投入に失敗します。原因は、燃料の「揺れ」(スロッシング)などに関係する問題で、第2段のエンジンが止まったと報じられています。

燃料の揺れ、と聞いて、ピンとこないかもしれません。ロケットの中の燃料は、大きな液体のかたまりです。ロケットが動くと、その液体も、タンクの中で揺れます。この揺れが、エンジンへの燃料の流れを乱してしまう。1回目とは、まったく別の種類の問題でした。

3回目:2008年8月2日 ─ 離れるはずの2段が

3回目は、2008年8月2日。

飛行を始めて、約2分20秒後。第1段と第2段が、切り離されるときに、問題が起きました。2つの段が、ぶつかった、と報じられています(分離の詳しい技術的な原因は、確認できていません)。

これで、3回連続の失敗です。1回目は燃料漏れ、2回目は第2段、3回目は段の分離。3回とも、違う場所で、違う理由で、失敗したことになります。

崖っぷちの、数日間

3回目の失敗の、わずか4日後。2008年8月6日に、ベンチャーキャピタルのFounders Fund(ファウンダーズ・ファンド)から、2,000万ドルを調達したと報じられています。

この資金の話は、スペースXが、崖っぷちを乗り越える、大事なピースだったと考えられます。ただし、このお金の詳しい意味(それまでの資金状況や、4回目の打ち上げ費用との関係)は、確認できていません。

そして、マスクは、失敗のあとも、4回目に挑む意思を表明したと報じられています。

3回目の失敗から4回目の成功までの流れ。2008年8月2日、3回目の打ち上げに失敗。8月6日、2000万ドルの資金調達が報じられる。9月28日、4回目の打ち上げで成功
図2:崖っぷちの2か月(AI生成のイメージ。資金調達は報道ベースで、詳細は未確認)。

4回目:2008年9月28日 ─ 軌道に届いた

そして、2008年9月28日。4回目の打ち上げ。

ファルコン1は、はじめて、地球を回る軌道に到達しました。3回の失敗を経て、民間企業が開発した液体燃料ロケットが、軌道に届いた瞬間です。

マスクは、このとき、軌道投入の精度の高さを喜ぶコメントを出したと報じられています。そのなかに、「4度目の正直」にあたる英語の言い回し(Fourth time's a charm)が含まれていた、とも伝えられています。

失敗は、何を教えてくれたのか

筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

3回の失敗が、それぞれ別の原因だったことは、重要な点に見えます。同じ失敗を繰り返さずに、一つずつ、原因を取り除いていった、という見方ができるからです。「ロケットは、一度も失敗せずに作れるものではない」という前提で、失敗から改善する、という進め方です。ただし、これはスペースX内部の実際のやり方を確認したものではなく、外から見た筆者の解釈です。

次の記事で語るのは、まさにこの年、2008年です。スペースXの4回目の成功の裏で、実はもう1つの会社が、同時に倒れかけていました。

3回の失敗の原因。1回目は燃料漏れによる火災、2回目は第2段の問題、3回目は第1段と第2段の分離のトラブル。3回とも別の原因だったと報じられている
図3:3回の失敗の原因(報道による。技術的な詳細は未確認)。

よくある質問

ファルコン1は、どんなロケットですか?

スペースXが最初に開発した、2段式の液体燃料ロケットです。のちの「ファルコン9」とは、別のロケットです。

3回目の失敗の原因は、はっきりわかっていますか?

段の分離のときに問題が起きた、と報じられています。ただし、詳しい技術的な原因は、この記事では確認できていません。

4回目の資金は、どこから出たのですか?

2008年8月6日に、Founders Fundから2,000万ドルを調達したと報じられています。ただし、4回目の打ち上げ費用との関係までは、確認できていません。

まとめ

次の記事:2008年、スペースXが成功した同じ年に、もう1つの会社が、倒れかけていました。

出典(確認日 2026-10-11)

この記事は、科学技術と企業の歴史の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。