テスラ(Model 3)の仕組みを図解:電気・力・熱・情報の4つの流れで、全体がわかる

確認日 2026年10月14日 / 読む時間 約10分

目次
  1. テスラの仕組みを、ひとことで言うと
  2. ガソリン車と比べると、何が置き換わるのか
  3. 4つの流れを、順番に説明
  4. 全体を1枚で見ると
  5. よくある質問
  6. まとめ
  7. 出典(確認日 2026-10-14)

テスラのModel 3の仕組みは、電気(電池→インバーター→モーター)、力(モーター→1段のギア→タイヤ)、熱(冷却液とヒートポンプ)、情報(カメラ→コンピューター)の4つの流れと、それを乗せる車体で、整理できます。電池の電圧は公称355V、ギア比は9.03:1です(公式マニュアル、シンガポール版)。

テスラの仕組みの全体マップ。電気の流れ(電池→インバーター→モーター)、力の流れ(モーター→ギア→タイヤ)、熱の流れ(冷却液とヒートポンプ)、情報の流れ(カメラ→コンピューター)の4つと、それを乗せる車体(AI生成のイメージ)
図1:テスラの仕組みの全体マップ(AI生成のイメージ。公式マニュアルなどによる)。

テスラの電気自動車(EV)は、どういう仕組みで走るのか。 この記事は、第2部の最後として、これまでの6本を1枚にまとめた「全体マップ」です。専門用語は、できるだけ使わずに説明します。

テスラの仕組みを、ひとことで言うと

テスラ(ここでは、公式資料が確認できるModel 3)の仕組みは、4つの流れと、それを乗せる車体で、整理できます。

流れ何が流れるか主な部品くわしい記事
電気電気電池 → インバーター → モーター第2話:電気の流れ
力回転する力モーター → 1段のギア → 差動装置 → タイヤ第3話:力の流れ
熱熱冷却液、ヒートポンプ第4話:熱の流れ
情報カメラの映像カメラ → コンピューター → 表示・制御第5話:情報の流れ
(車体)―大きな鋳造部品、構造用バッテリーパック第6話:車体のつくり

まず、ガソリン車との違いを知りたい人は、第1話:EVとガソリン車の違いから読むと、全体がつかみやすくなります。

ガソリン車と比べると、何が置き換わるのか

ガソリン車の部品を、テスラの部品と対応させると、全体の見通しがよくなります。

ガソリン車テスラ(Model 3)公式で確認できたこと
燃料タンク高電圧電池液冷のリチウムイオン電池、公称355V
エンジンモーター+インバーター後ろ=永久磁石同期モーター、前(AWD)=誘導モーター
変速機(多段)1段の固定ギアギアの比は9.03:1
ラジエーター冷却液と、ヒートポンプ(装備車)電池・モーターは液冷
運転する人の目カメラ(外を見る台数が7〜8台、ほかに車内1台)マニュアルの「Cameras」
ガソリン車の部品と、テスラの部品の対応。燃料タンクが高電圧電池、エンジンがモーターとインバーター、多段変速機が1段のギア、ラジエーターが冷却液とヒートポンプに置き換わる(AI生成のイメージ)
図2:ガソリン車とテスラの、部品の対応(AI生成のイメージ)。

4つの流れを、順番に説明

電気の流れ:電池 → インバーター → モーター

EVは、電池にためた直流の電気を、インバーターで交流に変えて、モーターに送ります。ブレーキのときは、モーターが発電機になり、電気を電池に戻します(回生ブレーキ)。Model 3の高電圧電池は、液冷のリチウムイオン電池で、公称355V DCです。後ろのモーターは永久磁石同期モーター、前のモーター(全輪駆動の車)は誘導モーターです。(くわしくは第2話)

力の流れ:モーター → ギア → 差動装置 → タイヤ

モーターの回転は、1段のギア(9.03:1)で、回転を約9分の1に落とし、回す力(トルク)を約9倍にして、タイヤに伝わります。カーブでは、差動装置が、外側のタイヤを速く回せるようにします。(くわしくは第3話)

熱の流れ:冷やす、温める

電池、モーター、インバーターは、冷却液で冷やします。電池は温めることも大切で、寒いと、蓄えたエネルギーの一部が使えず、回生ブレーキ、加速、充電の速さが制限されることがあります。米国エネルギー省のページによると、ヒーターを使うと、EVの航続距離は最大41%下がることがあります。(くわしくは第4話)

情報の流れ:カメラ → コンピューター → 表示・制御

外を見るカメラは、フロントバンパー上(装備車のみ)、後ろのナンバープレート上、各ドアピラー、フロントガラス上に2台、各フロントフェンダーに付いています。テスラは、カメラだけで周囲を認識する方式を、Tesla Visionと呼んでいます。コンピューターの公式の仕様は、確認できていません。(くわしくは第5話)

車体のつくり

テスラは、車体の一部(Model Yの後ろの床まわり)を、溶かしたアルミを大きな金型に流し込んで、大きな部品として作っています。壊れた端だけを切り替える修理の手順も、整備資料に載っています。(くわしくは第6話)

全体を1枚で見ると

第2部の6本の記事の地図。EVとガソリン車の違いから始まり、電気、力、熱、情報の4つの流れ、車体のつくりを経て、全体マップに至る(AI生成のイメージ)
図3:第2部の6本の記事の地図(AI生成のイメージ)。

4つの流れは、別々に見えて、つながっています。

  • 電気の流れで、電池の電気が使われると、熱が出る。→ 熱の流れで、冷やす。
  • 寒いと、電池が冷えて、電気の力が出にくい。→ 熱の流れで、温める。
  • カメラが見た情報で、ブレーキやステアリングを制御する。→ 力の流れや電気の流れが動く。
  • 車体の中心に、電池が置かれる。→ 電気の流れの部品が、車体の骨格にもなる。
筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

4つの流れは、「ガソリン車では、エンジンがまとめて受け持っていたこと」を、別々の部品に分けたものに見えます。電池は燃料と動力の貯蔵、インバーターとモーターは動力、冷却液とヒートポンプは暖房と冷却、というように。この見方は、私の整理で、テスラの公式な説明ではありません。

よくある質問

テスラは、何で動いていますか?

電池にためた電気で、モーターを回して走ります。電池→インバーター→モーターの流れです。ガソリンや、エンジンは、使いません。

テスラのモーターは、どこにありますか?

Model 3のマニュアルによると、後ろにモーターがあります。全輪駆動の車は、前にもモーターがあります。

テスラのギアは、何段ですか?

Model 3は、1段の固定ギアです。ギア比は9.03:1(公式マニュアル、シンガポール版)。

テスラのカメラは、何台ですか?

マニュアルの表を数えると、外を見るカメラは、フロントバンパー上のカメラ(装備車のみ)を入れて8台、入れなければ7台です。車内に、別に1台あります。

寒いと、テスラの航続距離は下がりますか?

米国エネルギー省のページによると、ヒーターを使うと最大41%、使わなくても約12%下がることがあります(2019年のAAAの調査にもとづく推定)。

自動運転のしくみは、この記事でわかりますか?

この記事では、カメラまでの流れを扱いました。コンピューターの公式の仕様や、ニューラルネットワークの中身は、確認できておらず、書いていません。

まとめ

  • テスラ(Model 3)の仕組みは、電気・力・熱・情報の4つの流れと、車体で整理できる。
  • 電気:電池(公称355V)→インバーター→モーター。力:モーター→1段のギア(9.03:1)→差動装置→タイヤ。
  • 熱:冷却液で冷やし、寒いときは温める。ヒーターを使うと、航続距離は最大41%下がることがある。
  • 情報:カメラ→コンピューター→表示・制御。コンピューターの公式の仕様は、未確認。
  • 車体:大きな鋳造部品。構造用バッテリーパックの効果の数字は、未確認。

第2部は、ここまでです。次の第3部から、電池、モーター、インバーター、車体などを、1つずつ、さらに細かく見ていきます(準備中)。

出典(確認日 2026-10-14)

この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。