マーリンとラプターの違いとは?スペースXのロケットエンジンを、燃料・サイクル・推力で比べる(公式ページで確認)

確認日 2026年10月22日 / 読む時間 約6分

目次
  1. 結論:燃料も、しくみも、ちがう
  2. ラプターは、マーリンの何倍?
  3. 数でも、比べる
  4. よくある質問
  5. まとめ
  6. 出典(確認日 2026-10-16)

SpaceXの公式ページによると、マーリンは、ロケット用の灯油(RP-1)と液体酸素を使い、ガス発生器サイクルで動きます。ラプターは、メタンと酸素を使う、再使用型の二段燃焼サイクルのエンジンです。ページの推力は、マーリンが845 kN(190,000 lbf)、ラプターが250 tf(551 klbf)です。ページは、ラプターの推力を「マーリンの2倍」と書いていますが、2つの数字から計算すると、約2.9倍になります。理由は、ページには書かれていません。

マーリンとラプターの比較のイメージ。燃料、サイクル、推力(AI生成のイメージ。概念図で、実際のエンジンの形とは異なります)
図1:マーリンとラプターの比較(AI生成。概念図)。

ファルコン9の記事と、スターシップの記事で、2つのロケットを見ました。この記事では、それぞれのエンジン、マーリンとラプターを、SpaceXの公式ページ(Falcon 9、Starship)の数字で、比べます(確認日 2026-10-16)。

結論:燃料も、しくみも、ちがう

項目マーリン(Falcon 9のページ)ラプター(Starshipのページ)
使うロケットファルコン1、ファルコン9、ファルコン・ヘビースターシップ(上段と、スーパーヘビー)
燃料と酸化剤ロケット用の灯油(RP-1)と、液体酸素メタンと、酸素(スーパーヘビーは、過冷却した液体メタンと液体酸素)
燃焼のしくみガス発生器サイクル二段燃焼サイクル(staged-combustion)
推力845 kN(190,000 lbf)250 tf(551 klbf)
大きさ(ページに記載なし)直径1.3 m、高さ2.9 m
再使用「回収と再使用を目指して、設計された」「再使用できる」エンジン
真空用真空用のマーリン(第2段、981 kN)ラプター・バキューム(RVac)
初心者向けの補足

ガス発生器サイクルと二段燃焼サイクルは、エンジンの内部で、燃料を送り込むポンプを、どう回すかの違いです(一般的な説明です。公式ページには、この違いの説明は、ありません)。kN(キロニュートン)とtf(トン重)は、どちらも力の単位で、1 tf ≈ 9.8 kNです(一般的な換算)。

燃料の違いのイメージ。灯油(RP-1)と、メタン(AI生成のイメージ。公式ページの記述をもとにした概念図)
図2:燃料の違い(AI生成。概念図)。

ラプターは、マーリンの何倍?

Starshipのページは、ラプターを「ファルコン9のマーリンエンジンの、2倍の推力を持つ」と説明しています。ところが、ページの数字から計算すると、次のようになります。

  • マーリン: 845 kN
  • ラプター: 250 tf ≈ 2,452 kN(250×9.8066、筆者の計算)
  • 比: 2,452 ÷ 845 ≈ 2.9倍

「2倍」と「約2.9倍」のずれの理由は、公式ページには、書かれていません。

筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

推力は、海面と真空で値が変わり、ページの数字が、どちらの条件のものか、また、「2倍」の比較が、どの条件のものかは、ページからは、わかりません(ファルコン9のページの「海面で170万ポンド超」は、マーリン9基の合計と合うので、845 kNは、海面の値と考えられます)。ですので、ここでは、ずれがあることを、そのまま記録するにとどめます。

推力の比較のイメージ。マーリンとラプターの棒グラフ。公式の「2倍」と、計算の約2.9倍(AI生成のイメージ。公式ページの数字から筆者が計算した概念図)
図3:推力の比較(AI生成。概念図)。

数でも、比べる

  • ファルコン9の第1段は、マーリン9基(海面推力 170万ポンド超)。
  • スターシップの上段は6基(ラプター3基、ラプター・バキューム3基)、スーパーヘビーは33基のラプター(中央の13基は向きを変えられ、外周に20基)。

よくある質問

マーリンとラプターの、いちばんの違いは?

燃料です。マーリンは灯油(RP-1)と液体酸素、ラプターはメタンと酸素です。燃焼のしくみも、ガス発生器サイクルと、二段燃焼サイクルで、違います。

どちらが、強いですか?

公式ページの数字では、ラプターのほうが、強いです。ページは「2倍」、計算では約2.9倍です。

どちらも、再使用できますか?

SpaceXは、マーリンは「回収と再使用を目指して設計された」、ラプターは「再使用できる」エンジンと説明しています。

まとめ

  • マーリン: 灯油(RP-1)+液体酸素、ガス発生器サイクル、845 kN。
  • ラプター: メタン+酸素、二段燃焼サイクル、250 tf(約2,452 kN)。

出典(確認日 2026-10-16)

この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。

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