テスラのNACS(充電コネクター)とは?SAE J3400になった経緯を、テスラの公式発表で確認

確認日 2026年10月16日 / 読む時間 約7分

目次
  1. 結論:テスラは、自社のコネクターの設計を、公開した
  2. テスラが書いている、コネクターの特徴
  3. 「規格」になるまで
  4. 確認できなかったこと
  5. よくある質問
  6. まとめ
  7. 出典(確認日 2026-10-15)

NACSとは、テスラが設計した充電コネクターで、2022年11月11日に、設計を世界に公開したものです。テスラの公式ブログは、このコネクターを、「交流の充電と、最大1MWの直流充電を、1つの細い形でできる」と説明しています。2024年9月30日の追記で、NACSはSAEの推奨事例J3400で扱われるようになり、設計ファイルは、J3400の中にあると書いています。ただし、サイズや出力の比較は、テスラ自身の主張で、第三者の確認は、この記事ではできていません。

NACSコネクターのイメージ。1つの細いコネクターで、交流(AC)と直流(DC)の充電ができる(AI生成のイメージ。概念図)
図1:NACSコネクターのイメージ(AI生成。概念図で、実際の形とは異なります)。

電気自動車の充電では、車と充電器をつなぐコネクターの形が、メーカーや地域で違うことがあります。この記事では、テスラのコネクターが、どのように「規格」になっていったのかを、テスラの公式発表で確認していきます。

結論:テスラは、自社のコネクターの設計を、公開した

テスラの公式ブログ(The Tesla Team、2022年11月11日)は、こう書いています。

公式ブログの記述(原文を短く引用)

「today we are opening our EV connector design to the world」

(今日、私たちは、EVのコネクターの設計を、世界に公開する。)

ブログは、このコネクターと充電口を、NACS(North American Charging System、北米の充電システム)と呼び、充電網の運営会社と自動車メーカーに、採用を呼びかけています。

テスラが書いている、コネクターの特徴

公式ブログは、コネクターを、次のように説明しています。

  • 10年以上の使用と、200億マイル(約320億km)の充電の実績がある。
  • 交流(AC)の充電と、最大1MWの直流(DC)充電を、1つの細い形でできる。
  • 可動部品がない。
  • CCS(Combined Charging System、別の主要な規格)のコネクターの、半分の大きさで、2倍の出力。

ここで、直流(DC)充電は、速い充電に使う方式で、交流(AC)充電は、自宅などで使うゆっくりした充電です。

確認できていないこと

「半分の大きさ」「2倍の出力」「最大1MW」は、テスラ自身の主張です。この記事では、第三者の測定や、規格の文書で、確認できていません。

NACSとCCSの違いのイメージ。テスラの主張では、NACSは、より小さく、1つのコネクターで交流と直流に対応する(AI生成のイメージ。テスラの公式ブログの記述をもとにした概念図)
図2:テスラが主張する、NACSの特徴(AI生成。概念図で、実際の大きさの比較ではありません)。

「規格」になるまで

テスラのブログには、2024年9月30日の追記があります。

公式ブログの追記(原文を短く引用)

「As NACS is now recognized in a SAE recommended practice (RP) under SAE J3400, we have removed the technical specifications and CAD from our website.」

(NACSが、SAEの推奨事例(RP)J3400で扱われるようになったので、技術仕様とCADを、私たちのサイトから削除した。)

つまり、2024年9月30日の時点で、設計の情報は、SAE J3400という文書の中にあります。SAEは、自動車の技術の規格を作る団体です。

2023年12月の報道(electrive、2023年12月20日、Nora Manthey記者)は、SAEが、J3400の技術情報報告書(TIR)を出したと伝えています。TIRは、推奨事例や、最終的な規格の前の、早い段階の文書だと、報道は説明しています。同じ記事は、次のことも伝えています。

  • 米国運輸省が、この手続きの速さを、「前例がない」と呼んだ。
  • フォルクスワーゲングループが、このコネクターを採用すると決めた。2025年から、VW、アウディ、ポルシェ、Scoutの新しいEVが、テスラのポートを持つ予定。
NACSが規格になるまでの流れ。2022年11月に設計を公開、2023年12月にSAEがJ3400の技術情報報告書を発表、2024年9月にJ3400の推奨事例として扱われる(AI生成のイメージ。テスラ公式ブログと報道をもとにした概念図)
図3:NACSが規格になるまでの流れ(AI生成。概念図)。

確認できなかったこと

  • SAE J3400の文書そのもの(購入が必要な文書で、この記事では、原文を確認できていません)。TIR、推奨事例(RP)、規格の関係や、現在の正式な状態は、SAEの公式ページで、確認する必要があります。
  • 「半分の大きさ」「2倍の出力」「最大1MW」の、第三者による確認。
  • どの自動車メーカーが、いつから、実際に採用しているか(報道は、各社の計画を伝えるだけです)。
  • 採用した車の、実際の充電の速さ。
筆者の読み解き(確認した事実ではありません)

公式ブログの書き方から、「自社のコネクターを、業界の共通の形にしたい」という狙いは、読み取れます。ただし、実際に、どれだけ広がったのかは、この記事では確認できていません。

よくある質問

NACSとは何ですか?

テスラが設計した充電コネクターと充電口で、2022年11月11日に、設計が公開されました。正式名称は、North American Charging Systemです。

NACSは、いつ規格になりましたか?

テスラの公式ブログの追記(2024年9月30日)は、NACSが、SAEの推奨事例J3400で扱われるようになった、と書いています。2023年12月には、J3400の技術情報報告書が出されたと、報道されています。

NACSは、CCSより小さいですか?

テスラの公式ブログは、半分の大きさで、2倍の出力だと主張しています。第三者の確認は、この記事ではできていません。

他社の車でも、使えますか?

報道は、フォルクスワーゲングループが採用を決めたと伝えています。現在の各社の対応は、この記事では確認できていません。

まとめ

  • NACSは、テスラが設計したコネクターで、2022年11月11日に、設計が公開された(テスラ公式ブログ)。
  • テスラは、交流と、最大1MWの直流の充電が、1つの細い形でできると主張している。ただし、第三者の確認は、未確認。
  • 2024年9月30日の追記で、NACSはSAE J3400で扱われるようになったと、テスラが書いている。
  • J3400の文書そのもの、各社の実際の採用状況は、未確認。

次の記事:テスラの車の中の、低電圧(12V)の仕組みを、順番に見ていきます(準備中)。

出典(確認日 2026-10-15)

この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。