テスラのModel 3の取扱説明書(2026.32)によると、オートパーキングは、運転席にいる運転者が見守る中で、縦列駐車と直角駐車を車が操縦する機能で、走行速度は13km/h未満が条件です。サモンは、車の外から、スマホのアプリで車を呼び寄せたり、駐車スペースに出し入れしたりする機能です。北米版は、スマホと車の距離が約85m以内、移動は最大約475m、7.5分までと書いていますが、日本語版は、前後最大12mの駐車の出し入れと、スマートサモンの移動距離20mなど、別の数字を書いています。どちらも、運転者が常に監視する前提の機能です。

テスラには、「駐車」を車にまかせる機能が、2つあります。運転席に座ったまま、車に縦列駐車や直角駐車をさせるオートパーキングと、車の外に立って、スマホのアプリで車を動かすサモンです。この記事では、Model 3の取扱説明書(北米版と日本語版、ソフトウェア2026.32)で、できること、条件、できないことを確認します。
結論:オートパーキングは「車の中から見守る駐車」、サモンは「車の外から見守る移動」。どちらも、人が常に監視する前提
| オートパーキング | サモン | |
|---|---|---|
| 運転者の位置 | 運転席(ハンドルから手を離して、画面の「開始」にタッチ) | 車の外(スマホのアプリのボタンを押し続ける) |
| 何をするか | 縦列駐車と直角駐車を、車が操縦する | 車を、前後に出し入れしたり、自分のところへ呼び寄せたりする |
| 大事な条件 | 走行速度が13km/h未満など | スマホと車の距離、私有地、ボタンを押し続けるなど |
| 責任 | 運転者(説明書は「決して任せきりにしない」と書く) | 運転者(説明書は「監視が必要な機能」と書く) |
オートパーキング(自動駐車)
使える条件(北米版と日本語版で、同じ内容)
説明書は、オートパーキングが駐車できそうな場所を探すときの条件を、次のように書いています。
直角駐車(白線に対して直角に止める):
- 走行速度は、13km/h(8マイル)未満。速いと、駐車スペースを正しく見つけられないことがある。
- 駐車スペースの幅は、車の幅以上。
- 駐車スペースに、見える線が3本以上(駐車の白線、道路のマーキング、はっきりした縁石など)。3本の線が見えない車庫では、作動しないことがある。
- 石畳やレンガのような、でこぼこした路面では、作動しないことがある。
縦列駐車:
- 走行速度は、13km/h未満。
- 駐車したいスペースの前か後ろに、車がいること。
斜め駐車のスペースには、対応していません(説明書)。
使い方の流れ
- ゆっくり走りながら、画面で、車が見つけた駐車スペースの候補を見る(安全を確認したうえで)。
- 場所を選び、ハンドルから手を離して、画面の「開始」にタッチする。
- 駐車が終わると、メッセージが出る。
オートパーキングを使うには、オートステア(北米版は、オートステアまたはFSD(Supervised)。日本語版は、オートステアリング)を、コントロールで有効にします。トラフィックアウェア・クルーズコントロールが有効のときは、使えません。
キャンセルされるとき
説明書によると、次のときに、駐車の動作はキャンセルされます。
- ハンドルを手で動かした
- シフトした
- ブレーキペダルを踏んだ
- ハンドルの右スクロールボタンを押した
- ドアが開いた
- 運転席から離れたと、車が検知した
- 駐車のための動作が7回(日本語版は「7回以上」)を超えた
(日本語版は、このほかに「アクセルペダルを踏んだ場合」も書いています。北米版は、アクセルを踏んで速度が10km/h(6マイル)を超えるとキャンセル、と書いています。)
「今すぐ運転を引き継いでください」のメッセージと警告音が出るのは、ドアが開いたとき、カメラが汚れたり、泥・氷・雪・ステッカーなどでふさがれたり、大雨や暗さで見えないとき、速度が10km/hを超えたとき、自動緊急ブレーキが作動したときです。
使ってはいけない・注意
- けん引ヒッチに、ボールヒッチ、自転車用のキャリア、トレーラーなどを付けているときは、使わない(ヒッチの手前で止まらないことがある)。
- カメラの汚れや、雨、薄れた白線は、性能に影響する。
- 説明書は、「決してオートパーキングに任せきりにせず、合法で、適切で、安全な駐車スペースを見つけてください。常に目で見て確認してください」と書いています。

サモン(呼び寄せ)
サモンは、車の外から、スマホのアプリで車を動かす機能です。ここは、北米版と日本語版で、説明の中身がかなり違いました。同じソフトウェアのバージョン(2026.32)の取扱説明書なのに、機能の名前や数字が違います。
北米版の説明(英語、Model 3、2026.32)
サモンには、2種類があります。
- ダムサモン(Dumb Summon): 車を、まっすぐ前か後ろに動かして、駐車スペースに入れたり出したりする。ボタンを押し続けている間だけ動く。
- アクチュアリー・スマートサモン(ASS): 車が、自分のところ(スマホのGPSの位置)か、地図で選んだ場所まで、物をよけながら、動いてくる。
説明書の主な数字と条件は、次のとおりです。
| 項目 | 北米版の記述 |
|---|---|
| スマホと車の距離 | 約85m(279フィート)以内。それより離れると、速度が3マイル/時(約5km/h)に制限される。約100m離れると一時停止、約105m離れると停止して終了 |
| 1回で動ける最大距離 | 約475m(1,558フィート)、または7.5分連続で動くと、中止して「パーキング」になる |
| 場所 | 私有地の、駐車場や私道。周りが見慣れていて、予測しやすい場所。スマートサモンは、公道では使えない(ダムサモンは、公道でも極めて注意すれば使えるが、道路に出るために使ってはいけない) |
| 車の状態 | パーキング、充電中でない、すべてのドアとトランクが閉まっている、カメラがキャリブレーション済み |
| タイヤの空気圧 | 4本すべてが34PSI以上(TPMSの表示) |
| アプリ | Teslaのモバイルアプリ4.38.0以降。スマホが、電話キーとして登録されている |
| スタンバイモード | 準備の時間を短くできるが、バッテリーを余計に使う。深夜0時から午前6時と、低電力モードでは、自動でオフになる。24時間以上パーキングのままだと、無効になる |
「アプリで、車のカメラのライブ映像」を見ながら使います。プレミアム コネクティビティがあると、セントリーモードの「ライブカメラの表示」と同じ制限(1日1時間、または15分)を共有し、ないと2分に制限されます。ただし、サモンで車が実際に動いている間は、制限なし、と書かれています(セントリーモードとダッシュカム)。
使えないとき(説明書):バレットモード、ペットモード、ドラッグストリップモードのとき。また、ルーフラックなどの付属品があるとき、トレーラーモード、GPSや携帯電話の電波が悪いとき、舗装されていない路面、勾配が20%を超える道のとき(10%を超える勾配では、速度は3マイル/時に制限)。
日本語版の説明(日本語、Model 3、2026.32)
日本語版には、「サモン」と「スマート サモン」の、2つのページがあります。どちらにも、次の一文があります。
「この機能は、およそ2023年9月以降に製造された車両用の将来のソフトウェア アップデートで有効になるまで、一時的に制限される、または無効にされることがあります。」
| 項目 | 日本語版の記述 |
|---|---|
| サモン(まっすぐ出し入れ) | 車を、前後に最大12m、駐車スペースとの間で動かす。近くに有効なキーが必要。「ベータ版の機能」 |
| スマートサモン | スマホのGPS位置、または選んだ場所まで、障害物をよけながら移動。「ベータ版の機能」。使える範囲として、地図に「65m」の青い円が出る、と書かれている。移動の最大距離は20m |
| 「ここに来る」 | 自分の位置の1m範囲内まで来て、止まって、パーキングに入る |
| 開始時 | ハザードランプが点滅し、ミラーが格納される |
| 場所 | 駐車場や私有地。公道では使わない。舗装道路のみ |
日本語版の「スマート サモン」のページには、「スマートフォンがModel 3から約6m以内の距離にある」とも書かれていて、同じページの「65m」とは、数字が違います。どちらが正しいのかは、説明書の記述からは確認できませんでした。
なぜ違うのか(わかっていること、わからないこと)
- 北米版は、ダムサモンと、アクチュアリー・スマートサモンの2種類で、距離やタイヤの空気圧などの数字が、細かく書かれています。
- 日本語版は、機能の名前も数字も違い、「将来のソフトウェアアップデートで有効になるまで、制限される、または無効にされることがある」と書かれています。
- 日本の車で、いま、どちらの動作になるのかは、説明書だけでは確認できません。
説明書が、オートパーキングでは「ハンドルから手を離す」、サモンでは「ボタンを押し続ける」としていることから、どちらも「運転者がいつでも止められること」を前提に、設計されていると読み取れます。ただし、実際の挙動は、説明書の記述だけでは分かりません。
よくある質問
オートパーキングは、どんな駐車に使えますか?
縦列駐車と、直角駐車に対応しています。斜め駐車には対応していません(説明書)。走行速度が13km/h未満であることなどが、条件です。
サモンで、車は、どのくらい離れた場所まで動きますか?
北米版は、スマホと車の距離が約85m以内、1回で最大約475mまで、と書いています。日本語版は、駐車の出し入れが最大12m、スマートサモンの移動が最大20mと書いています。数字が違うので、自分の車の画面や、説明書の最新版で確認してください。
サモンは、公道で使えますか?
スマートサモンは、公道では使えません(両方の説明書)。北米版は、ダムサモンを、極めて注意すれば公道でも使えるが、道路に出るために使ってはいけない、と書いています。
運転席にいなくても、使えますか?
サモンは、車の外から使う機能です。ただし、説明書は、車と周囲を常に監視し、いつでも止められる状態でいることを求めています。オートパーキングは、運転席に座って、車の動きを見守ります。
日本の車でも、使えますか?
日本語版の説明書には、サモンの機能が書かれていますが、「一時的に制限される、または無効にされることがある」とも書かれています。実際にどうなるかは、確認できていません。
まとめ
- オートパーキングは、運転席から見守る駐車。速度13km/h未満、見える線3本以上などが条件。縦列と直角に対応、斜めは非対応。
- サモンは、車の外から、アプリのボタンを押し続けて動かす機能。私有地で、人が常に監視する前提。
- 北米版は、距離約85m、最大約475m、7.5分、タイヤ34PSI以上など。日本語版は、前後最大12m、スマートサモン最大20mなど。数字と内容が違う。
関連する記事:ドアとロックの仕組み、衝突回避の機能、タイヤ空気圧(TPMS)、FSDとオートパイロットの違い、駐車中の消費電力。
次の記事:準備中です。
出典(確認日 2026-10-18)
- Tesla「Model 3 Owner's Manual(2024+、ソフトウェア2026.32、北米)」Autopark: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/en_us/GUID-0C763E08-D0B8-4404-8180-1054F635C08C.html
- Tesla「Model 3 Owner's Manual」Summon: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/en_us/GUID-7D207174-88CD-4795-8265-9162A72AA578.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」オートパーキング: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-0C763E08-D0B8-4404-8180-1054F635C08C.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」サモン: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-805ADFBA-A8DC-421E-8B24-2E5A6BF2445A.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」スマート サモン: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-9A8A9E74-FDAF-4278-BD92-FCB58A4266BA.html
この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。
読んでくださって、ありがとうございました。この記事は、あなたの役に立ちましたか?
ありがとうございます。よければ、感じたことを一言どうぞ。
任意です。名前やメールアドレスは要りません。
届きました。いただいた声は、これからの記事づくりに活かします。