テスラのModel 3の取扱説明書(2026.32)によると、トラクションコントロールは、前後のホイールの速度を常に監視し、タイヤが滑ると、ブレーキ圧とモーターの電力を制御して、ホイールスピンを抑えます。初期設定はオンで、通常はオンのままにします。スタックアシストは、泥や雪で動けないときに、わざとホイールを空転させる設定で、次に車を始動すると自動で無効になります。オートブレーキホールドは、停止後もブレーキをかけ続け、約10分でパーキングに入ります。加速モードは、強くすると航続距離と効率が下がり、弱くすると、冬の暖房の効率が上がることがあります。

雪の道で、アクセルを踏んだら、タイヤが空回りした。そんな経験はありませんか。テスラの車には、滑りを抑える機能、止まり続ける機能、加速の強さを選ぶ設定があります。この記事では、Model 3の取扱説明書(北米版と日本語版、ソフトウェア2026.32)で、4つの機能の中身と、使い方の注意を確認します。
結論:4つとも、「コントロール」→「ダイナミクス」などの設定で扱う、走りを支える機能
| 機能 | 一言で | 初期設定 |
|---|---|---|
| トラクションコントロール | タイヤの空回りを抑える | オン(通常はオンのまま) |
| スタックアシスト | 泥や雪で動けないときに、わざとタイヤを空回りさせる | オフ(使うときだけオン。次の始動で自動でオフ) |
| オートブレーキホールド(英語版は Vehicle Hold) | 停止中、ペダルから足を離しても、ブレーキをかけ続ける | 説明書に、初期設定の記述は見つかりませんでした |
| 加速モード | 加速の強さを選ぶ | 説明書に、記述は見つかりませんでした |
トラクションコントロール:タイヤが滑りそうになったら、ブレーキとモーターで抑える
取扱説明書の説明は、こうです。
- 前後のホイールの速度を、常に監視している。
- トラクション(タイヤが路面をつかむ力)が下がると、ブレーキの圧力とモーターの電力を制御して、ホイールスピン(タイヤの空回り)を最小にする。
- 初期設定はオン。通常は、安全のために、オンのままにする。
- 作動中は、タッチスクリーンの黄色いインジケーターが点滅する。点灯したままのときは、異常があるので、Teslaサービスに連絡する。
- ただし、説明書は「危険な運転や、高速で急に曲がることによる衝突は、防げません」と警告しています。
4つのタイヤの回り方を比べて、「1つだけ、ほかより速く回っている」と分かれば、そのタイヤが空回りしている、と判断できます。そこで、そのタイヤにブレーキをかけたり、モーターの力を弱めたりして、つかむ力を取り戻す、というのが、基本の考え方です。
設定(「コントロール」→「ダイナミクス」)
- 自動(Auto): 走っている路面の特徴を、続けて検出して、トラクションコントロールを自動で調整する。
- 滑りやすい路面(Slippery Surface): すべてのタイヤに、トラクションを均等に分けて、雨、雪、氷の、滑りやすい状況で、トラクションと安定性を高める。
- スタックアシスト(Stuck Assist): 次の項目で説明します。
スタックアシスト:動けないときだけ、わざと空回りさせる
「スタックアシスト」は、泥、雪、氷などで動けなくなったときに、抜け出しやすくするための設定です。オンにすると、ホイールが(一定の速度以下で)空回りできるようになり、車を前後に揺すって、抜け出せます。
説明書の注意は、次のとおりです。
- 通常はオンにしない。空回りさせたい場面(砂利や雪の上での発進、深い雪・砂・泥の中の走行、穴や深いわだちからの脱出)にだけ、オンにする。
- どんな速度でもオンにできるが、速度が高いと、効果は薄い。
- オンにすると、画面に警告のメッセージが出る。
- 次に車を始動すると、自動でオフになる。ただし、必要がなくなったら、すぐにオフにするよう、強く勧められている。
- ドライブアシスト(自動運転支援)を使っているときは、オンにできない。トラックモードにすると、無効になる。
オートブレーキホールド:止まったら、足を離しても、ブレーキを保つ
英語版の説明書では「ビークルホールド(Vehicle Hold)」、日本語版では「オートブレーキ ホールド」という名前です。
- 車が停止したあと、ブレーキペダルから足を離しても、ブレーキをかけ続けられる。
- 作動中は、画面にインジケーターが表示される。
- 解除するには、アクセルペダルを踏むか、ブレーキペダルを踏んで離す。ニュートラルにシフトしても解除される。
- ブレーキをかけ続けて約10分たつと、車はパーキングにシフトして、ホールドは解除される。運転者が車を降りたと検知した場合も、パーキングに入る。
信号待ちや、坂道で止まったときに、足の疲れを減らせる機能です(用途の説明は、筆者の補足で、説明書の文章ではありません)。
加速モード:強くすると、航続距離と暖房の効率に影響する
「コントロール」→「ダイナミクス」→「加速」で、加速の強さを調整できます。説明書は、次のように書いています。
- トルクと出力を高くすると、航続距離と電力の使い方の効率(電費)が下がることがある。
- 選んだ加速モードを下げると、キャビン(車内)の暖房の効率が上がることがある。理由は、ピークの加速を出すためにバッテリーの力を保つ代わりに、ヒートポンプが、バッテリーからより多くの熱を取って、車内を効率よく暖められるから、とされている。
- 寒いときに、走行の効率を最大にするのに役立つ。
- あとで加速モードを上げると、その加速が使えるまでに、バッテリーを温める時間が必要。
選べるモードの名前や、それぞれの加速の数字は、このページには書かれていません。関連:ヒートポンプ、電池の予熱、航続距離の見積もり。
よくある質問
トラクションコントロールは、切れますか?
初期設定ではオンで、説明書は、通常はオンのままにするよう勧めています。空回りさせたい特別な場面のためには、「スタックアシスト」をオンにします。
スタックアシストは、いつ使いますか?
泥、雪、氷などで動けないとき、積雪路面や砂利道での発進、深い雪・砂・泥の中の走行、穴や深いわだちからの脱出です。必要がなくなったら、すぐにオフにするよう、説明書は強く勧めています。
オートブレーキホールドは、どのくらいの間、ブレーキを保ちますか?
ブレーキをかけ続けて約10分で、パーキングにシフトして、ホールドが解除されます(説明書)。
加速モードを弱くすると、何が変わりますか?
航続距離と電費が上がることがあり、冬は、車内を暖める効率が上がることがある、と説明書は書いています。
滑りやすい路面の設定とは、何ですか?
すべてのタイヤに、トラクションを均等に分けて、雨、雪、氷での、トラクションと安定性を高める設定です(説明書)。
まとめ
- トラクションコントロールは、前後のホイールの速度を監視し、滑ると、ブレーキとモーターで空回りを抑える。初期設定はオンで、通常はオンのまま。
- スタックアシストは、動けないときだけ、わざと空回りさせる設定。次の始動で自動でオフになる。ドライブアシスト中は使えない。
- オートブレーキホールド(英語版はVehicle Hold)は、停止後もブレーキを保つ。約10分でパーキングに入る。
- 加速モードは、強くすると航続距離と電費に影響し、弱くすると、冬の暖房の効率が上がることがある。
関連する記事:ブレーキのしくみ、回生ブレーキ、タイヤ空気圧(TPMS)、ヒートポンプ。
次の記事:準備中です。
出典(確認日 2026-10-18)
- Tesla「Model 3 Owner's Manual(2024+、ソフトウェア2026.32、北米)」Traction Control: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/en_us/GUID-CC0F27E7-FD78-448D-B739-209EBBEDF2C3.html
- Tesla「Model 3 Owner's Manual」Vehicle Hold: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/en_us/GUID-4F680094-175E-44C3-8801-4965887055BE.html
- Tesla「Model 3 Owner's Manual」Acceleration Modes: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/en_us/GUID-8EAFF5D8-7209-45ED-A7E0-508FFA60C530.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」Traction Control: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-CC0F27E7-FD78-448D-B739-209EBBEDF2C3.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」オートブレーキ ホールド: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-4F680094-175E-44C3-8801-4965887055BE.html
- Tesla「Model 3 取扱説明書(日本語版)」加速モード: https://www.tesla.com/ownersmanual/model3/ja_jp/GUID-8EAFF5D8-7209-45ED-A7E0-508FFA60C530.html
この記事は、科学技術の学習を目的としたもので、投資の助言ではありません。事実と筆者の読み解きは、区別して書いています。図はAIで生成したイメージです。
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